日本女性技術者フォーラム 運営委員長 中村立子氏
2009年2月20日
理系分野における女性支援・男女共同参画の推進に長年取り組んでいらっしゃる中村氏に、現状と課題、今後の可能性についてお話をお聞きしました。

中村 立子 氏
日本女性技術者フォーラム
運営委員長
工学博士。
川崎市男女共同参画センター館長、実践女子大学・女子美術大学非常勤講師。 |
–子ども達の理科離れについて、どのように感じておられますか?
私達(日本女性技術者フォーラム)は、すでに90年代中頃から理科離れの問題を感じていて、逆にこれは「この分野に女性が進出できるチャンスだ」と思っていたんですね。ところが今になって、実は「理科離れしているのは女子生徒である」という研究結果が出されて、非常にショックを受けました。
研究職に占める女性割合は、日本では12.4%と極めて低く、国際比較で見るとデータが出されている34カ国の中でなんと最下位です(平成20年度版 男女共同参画白書 内閣府)。1年前には下から2番目でしたので、さらに順位が下がったわけです。おそらく、長く仕事を続けている人は多いのですが、参入者の増える率が非常に少ないためだろうとみています。
–理系の仕事に就く女性を増やすためには、どのような取組みが必要とお考えでしょうか。
増えない原因としては、子どもが、技術職や研究職に就く女性を身近に知る機会が少ないことや、「理系の職域は女性のライフデザインがしにくいところだ、あるいは女性に向かない」という大人の思い込みが子どもに影響を与えていることなどが挙げられています。
こういう大人の偏見がいかに長い間変わらずに伝承されているかということに気付き、最近は取組みの対象は中高生だけではなく、「保護者もターゲット」だと考えています。私は川崎市男女共同参画センターで仕事をしていますので、仕事を通して子ども達に直接メッセージを送り続けると同時に、保護者や教師の意識を変える活動をすることが効果的ではないかと思っています。
–理系の仕事を一言でいえば?
「達成感」ですね。人からすごいねって言われることだけではなく、自分にとっての成果を得たときにものすごく嬉しい気持ちになれるんですよ。新しいものを探る仕事なので、どんなに小さなことでも人がやっていなかったことに気付くととても感激する。そういう気持ちが伴走者のようにいつも自分を支えてくれるのです。だから女性の技術者は他の職種に比べると働き続ける人が多いのだと思いますね。
–当プロジェクトへのメッセージをお願いいたします。
「本物のロールモデル」を見せることは、とても重要だと思います。たとえば、一連のキャリア教育の取り組みなどで、科学技術の仕事をしている人が授業にやって来るというときに、そこに現れたのが女性だった、というような方法で、子ども達にインパクトを与えられればいいなと思いますね。
また、子ども達が自分の発見がすごいことだと思えるように、興味を持ったことを褒めてあげることが大事だと思っています。心の中に「不思議だな」と思うことをいっぱい持てるような機会を与えてあげること、そして純粋に科学する心を育んであげる、そんな環境を提供できたら素晴らしいと思います。
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■ http://homepage3.nifty.com/jwef/
各企業や教育・研究機関などで、ともすれば孤立しがちな女性技術者相互の交流をはかり、業種業界を横断した研修の場を企画することで、自己啓発や人材活性化の機会を設けている。 また、各種調査・研究活動の結果を基に提言を行ったり、女子生徒の理系進路選択の支援活動にも積極的に取り組んでいる。
■川崎市男女共同参画センター http://www.scrum21.or.jp