昭和女子大学大学院教授 農学博士 中山榮子氏 

2008年11月7日

女性科学者としての働く環境を切り拓きながら、大学での研究活動を続けられる一方、次世代の人材育成にも力を注いでおられる中山先生に、これからの理科教育に期待されることをうかがいました。

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中山 榮子 氏
昭和女子大学大学院生活機構研究科環境デザイン研究専攻教授
京都大学卒 農学博士。
2000年~2006年日本学術会議第6部木材学研究連絡委員、
2001年~2004年女性科学研究者の研究改善に関する懇談会(JAICOWS)理事、
2005年~日本女性科学者の会(SJWS)理事、監事。

–理科の授業では、どのようなことが大切だとお考えでしょうか。

まず何よりも体験の大切さを挙げたいですね。学生実験で試験管を割ってしまい「先生ごめんなさい!」ってすごく謝る学生がいます。でも試験管は消耗品ですから、使わなければ割れないけれど、使ったら割れるものなんですね。だから一生懸命やっていて、割れてしまったときにはそれでいい、と私は思うんです。ある程度そういうことは実験には織り込み済みなので、むしろ子どもたちには小さい時からそのときにどう対応するかを含めて体験してほしいですね。温度計も落としたら割れますが、水銀がころころ丸くなるのも見られるし、それをどうやって回収したらいいのかも知ることができる、すべて貴重な体験です。
これとこれを入れるとこうなります、というような、決まった結果が出るだけの実験なら、テレビでも見られますよね。でも自分でやってみると、実際には思うようにいかないこともあるし、はっと気がついたら試験管が熱くなっていたとか・・そういうことこそ体験しないといけないと思います。
「危ないことこそ学校で学ぶべきだ」というのが、私の意見なんです。なぜなら、それは知ることを学んでいるからで、そんなことを家庭でやってしまったら、もっと危ないしパニックになりますよ。どんなことが危いのか、何に気をつければ危なくないのか、また、どうすれば人類の英知を便利に使えるのかといったことを、ぜひ体験から学ぶべき。それができるのは指導者がいる学校だと思うんです。

–子どもの興味関心についてはどのように感じておられますか?

大学附属の小学校の理科の授業に行ったことがありますが、みんなすごく楽しそうです。よく「理科離れ」と言われますけれど、小学生の段階では一様に「楽しい」という気持ちを持っていますよね。むしろ必要なのは、ちゃんと文章を読んで、しっかりと母国語で物を考える力と数的な処理を行う数学(算数)の力です。そういった基礎力をつけておけば、あとは自分の興味のあるものにどんどんトライできるんじゃないかな、と感じますね。

–当プロジェクトへのメッセージをお願いいたします。

教育は積み重ねていくものだと思うので、企業の方には、その積み重ねにうまく入ってもらうことが重要だと思います。単発のイベントで終わらせないようにしてほしいですね。
また、子どもにとって、「楽しい」ということはとても重要ですから、学校に企業の方が来て下さることが、子どもたちのいい思い出になってほしいと思います。

■日本女性科学者の会   http://www.sjws.jp/

「女性科学者の友好を深め、各研究分野の知識の交換を図り、女性科学者の地位向上をめざすとともに、世界の平和に貢献すること」を目的として1958年4月に「日本婦人科学者」の名称で設立。科学技術の分野において、女性と男性が共に個性と能力を発揮できる環境づくり・ネットワークづくりと社会貢献を目指して活動している。2008年12月12日に内閣府 男女の仕事と生活の調和(ワーク・ライフ・バランス)推進事業『ワーク・ライフ・バランス実現に向けた社会基盤構築:新しい研究者・技術者像とは』シンポジウムを主催。

■昭和女子大学  http://www.swu.ac.jp/